リスと暮らす

1年目

出会うまで

1999年

とあるペットショップで大きなリスを見かけた。

頑丈な鎖の首輪につながれた姿は、これまでのリスに対する印象をくつがえした。両手でさえすっぽりとは収まらない程の大きさ、長くピンと伸びた耳の先の毛、そして落ち着きのなさ。
リスといえばあの、小さくてかわいいシマリスしか想像しなかった私にとって、衝撃的な出会いだった。

1999年 年末

あの大きなリスの事をもっと知りたい!とりあえずは情報を集めなくては。本を買いあさった結果、大型リスには何種類かあるということはわかった。 しかし、何故か飼い方となるとシマリス君だけで、具体的には何もわからないまま。
すがる思いでペットショップに向かった頃、あの大きなリスは姿を消していた。

2000年 春

もう我慢できない。リスを飼おう。
繁殖の季節、仔リスゲットのチャンス。

大型リスがその辺のペットショップにいないことはもうわかっている。 タウンページ片手に電話をかけまくった。
数軒かけてみて分ったことは、

  • やっぱりエゾリスを扱っている店は少ない
  • シマリスは、3~4月に仔リスを入荷するが、エゾリスは4月末から6月に架けて仔リスが市場に出回る。

あるペットショップのオヤジが言った。
「アカリスを1年待ちのお客さんもいるよ」

...。

2000年 5月

まぁとにかく、ペットショップに行ってみないことには始まらない。「今は居ない」もののエゾリスを扱った事があり、扱うことができる、というショップ2軒を尋ねた。

結果、
「何ヵ月待たせるか分らない。
だけど、ちゃんとしたのを見つけて来てあげる」

と言ったオヤジの言葉を信じて、そのペットショップに注文して帰って来た。
もちろん、料金前払いで...

家に来た日

2000年6月3日

ついに、我が家に“エゾリス”(注※)がやってくる。何度もイメージトレーニングした感動のご対面、いざ、ショップへ。

人影のないペットショップに鳥の声。どうやらショップのオヤジは外出中らしい。 犬がワンワン言い出した。ウサギが怯えている。そんな中、黙々とリンゴを齧っている黒い物体が!

エゾリスだ!なんだか小さくて、尻尾もネズミみたい。
でも間違いない。この仔が我が家にお迎えするリスだ。

初対面がこんな感じだから、ココアに対する第一印象が“犬に吠えられても動じない奴”になってしまったのは仕方がない。
後になって、仔リスらしい“繊細さ”を持っていた事が判明するのだけど、この時は、ちょっとした事は大して気にしない頼もしい(?)奴に見えた。

ケージは、ペットショップのオヤジの言う通り、最初は小さ目で、ココアの成長に合わせて大型のものに変更することにした。

最初に小さいケージにしておくのは、ココアが小さいからというだけじゃない。人がケージに手を入れても逃げ回れない大きさにしておいて、人間の手に慣れさせるためなのだ。byペットショップのオヤジ。

何はともあれ、最初は、下に書いたような環境でココアとの生活がスタートしました。

ケージ 高さ30cm x 幅50cm x 奥行26cm
巣箱 SANKO製木製ハウス(チンチラ用)
備品 餌皿
給水ボトル(三晃)
ヒータ(アサヒ、60W)

注意

ココアは「エゾリス」ではなく「キタリス」という種類のリスです。そもそもエゾリスは飼えません。 ただ、最初は自分たちの無知とペットショップのオヤジのせいで、すっかり「エゾリス」だと思っていたので、ここではその当時のそのままの記載にしています。

詳しくはここを見てください。

注意
巣箱に入れる「巣材」に関しては、ショップのオヤジの言うとおり「ウッドリタ―」をベースに「綿」を敷き詰めていました。後から考えるとこれで良かったのかどうか、良く分かりません。

後々、ココアはフカッフカの布材が大好き、という事が分かりました。
綿でクッションにしていたとはいえ、あんな硬い木片をベースにしていて良かったのかな?と言う気がしています。

なお、リスの爪は鋭く大きいため、布はひっかかる危険があり、タオル生地は厳禁です。ただ「フリース生地」であれば、頻繁に交換してあげればほとんど危険はないと思っています。

最初の1週間

2000年6月

ペットショップのオヤジ談では、生後2ヵ月くらいという話。今のところまだヨタヨタしてるし、一日のほとんどを寝て過ごしている感じ。

食事は朝と夕方の1日2回。犬用の粉ミルクをぬるま湯でといて、食パンをそれに浸して手から与える。 まだ子供だからか、ショップのオヤジの最初の慣らし方がよかったのか、人の手から食べる事には全く抵抗はないようだ。

食欲は「そこそこ」という感じ。一回で普通の食パンの6分の1ぐらいがいいところ。食パンとはいっても、ココアが食すのは、塩の入ってない無塩食パンの白い所だけ。冷めたのも嫌い。ちょっと贅沢なんじゃない?

そのほか、おやつとして、りんごやメロンなんかを少し与える。りんごとメロンを同時にあげたら、必ずメロンをとる。メロンといったって、皮に近いところなんか与えても見向きもしない。なんて美食家、いや贅沢なんだ?

糞やおしっこはどこででもしてしまう。リスのトイレのしつけはあきらめた方がいいと、どの本にも書いてあったけど、確かにその通りのようだ。

まだ、ほんの子供だから、「保温」は重要。6月とは言え、ぐっと冷え込む日がたまにあるし、夜は寒い。一応、28℃を目安に、ケージ内を保温する。ヒータは手で触れることが出来ないくらい熱くなっているのに、ヤケドするよ!と思ってしまうぐらいヒータに寄り添うこともしょっちゅう。

ココアが我が家に来て5日目。初めて床をピョンピョン飛びました。

6日目“壁によじ登ろうとして落ちる”を繰り返してる。

ココアの成長は目ざましい。

ココアは理屈なしでかわいい。こんな可愛い形をしていていいの?というくらいかわいい。リスらしいしっぽはまだ小さいけど、フラフラと振る姿はたまらない。

りんごを両手で持ち上げてカジる姿は、絵本やテレビで見かけた、あのリスそのもの! しかも、たまに床にりんごを置いて休憩しながら食べてるなんて、本なんかじゃ見れない。

手で抱いていると、すぐに手の中でスヤスヤと眠ってしまう。そのうちにダラーんとなって完全に無警戒状態。そんなんでいいの?寝返りうって、白いお腹を上にして再びダラーン。

こんなにかわいいのに、こんなにに愛らしいのに、ココア、そのツメは何!?

エゾリスの「ツメ」は子供であっても強烈だ。お世話係の足元から肩まで駆け上る時、遠慮なく、お世話係の足や腕に自分のつめを食い込ませて、引っかけながら駆け上る。しかも楽しそう。

ほんの数十分、そうして、ココアを登らせたり降ろしたりして遊んでいると、足も腕もお腹も背中も引っ掻き傷だらけ!この「ココアのツメ」は想像以上のもので、最初の試練でもあった。そんな訳で、暑くてもGパンとGジャンと傷薬は、お世話係の必須アイテムとなったのだった。

「しつけ」に関していえば、そもそも「誉められている」とか「怒られている」とか、そういう感覚は、今のところココアにはないんだろうね。元気いっぱいに走り回って、糞をあっちこっちにして、「コラッ」と言ったところで、まったく反応がないし、捕まえて怒ろうとしたところで、さらりっとすばしっこく走り去ってしまうだけ。

我家のエゾリスの「習性」でも書いたように、ココア(リス)との共同生活は、適当な距離を保って、独立性を尊重する付き合い方をする必要があるという事。

ココアはげる

2000年6月

ココアの左頬には来た時から模様がある。丸くて、色が周りより薄くて、うすくて...。

いや!模様じゃない。ホントにハゲてるっ!
そう言えば、微妙に大きくなってる。よく見ると、鼻の右脇にも小さな模様が。

動物だってストレスでハゲる。特に仔リスはハゲることが多いらしい。 普段、よく食べ、よく寝、よく遊ぶ、元気いっぱいのココアでも新しい環境でストレスを感じてたらしい。

お詫びにもっと遊んであげなくては!さあ、おいで!ツメを立てても怒らないから・・・(すごく痛いんだけど)

最初の1ヶ月

2000年7月

ココアの“はげ”もすっかり直って、やんちゃは激しくなる一方。
日に日に足腰が強くなり、たくましくなり、お世話係の体を傷だらけにしていく。

カーテンを駆け下りるココア 一番困ったことは、昨日まで行けなかったはずの本棚の上とか、台所の流しとかに駆け上ってしまうことだ。

一番のお気に入りはカーテンで、クックッっと鳴き声を上げながら、上へ下へ右へ左へ、カーテンからカーテンへ駆け抜けるのは、見ていて微笑ましい。

1ヶ月目のココアはこんな感じ

食事

1ヶ月目くらいから、急に「ミルクを浸したパン」を食べたがらなくなった。ペットショップのオヤジと相談して、ハムスターグルメミックスとウサギのスーパーミックス(餌の詳しくは我が家のエゾリスの「食べ物」を参照)を混合して与えるように食事を切り替えた。

ただし、与えた餌は必ずしもすべて食べ尽くすという事はないし、好き嫌いもかなり激しい。この辺は犬を飼ったことのあるお世話係にとっては、戸惑いのひとつである。与えたものを全部食べないなんて!犬だったらまだよこせ、と訴える目にクラクラときたものだけれども。

初めてクルミを与えてみると、生まれて初めて見るはずなのに、ヒト、いや、リスが変わったように目の色を変えて飛び掛ってきたのは驚いた。

その他、ひまわりの種はやっぱり大好き。この辺は、我が家のエゾリスの「食べ物」でも書いているけど、与えすぎないように注意です。季節によって、飼い主が脂肪のコントロールをしてあげる必要あり。

その他には、スイートコーン、りんご、メロン、にんじんなんかを生のままで与える。なんと言ってもスイートコーンが大好きで、これめがけて一直線にやって来る。毛球症予防にパパイヤキューブも一日1/2個程度与えるようにした。

ココアの様子

とても良好のように“見える”。

なにせ、エゾリスを飼うのは初めてで、しかも飼育のノウハウを入手する先がほとんど無い。
ただ、うまくいってないならば、とっくの昔に死んでいる (by ペットショップのオヤジ)という事もある。乳児期を無事脱して、とりあえず安心な時期に入ったといっていいのかもしれない。

何にしても、ココアは忙しいということだけは確かだ。

とにかく常に動きつづけている。
何かに駆り立てられているのだろうか?と疑いたくなるくらいせわしなく動き回っている。

とにかくエゾリスがこんなんだとは、これもまた、認識不足だった。シマリス君とかってどうなんだろう?こんなに落ち着きなく動き回っているものなんだろか?

床に落ちているものには何でも興味を示す。100円ショップで売っているようなぬいぐるみが大好きで、じゃれあったり虐待したりして楽しんでいる。
あと、ウエットティッシュのフタを開けるのが大好き。フタを開けるだけじゃなくて、これともじゃれあうのが好きみたい。

もちろん、そういうココアでも寝ている時はじっとしている。当たり前だけど。
まだまだ、ココアはよく寝る。朝は早いけど、昼間は必ず2時位からお昼寝タイムである。全く気楽なもんだ。お世話係の手の上でも寝てしまう。そんなにお気楽でいいのかぁ~ココア。

ココアよけ

家はマンションで部屋数がそんなにないので、ココア専用ルームなんてとても作れない。そのくせ、オーディオとかコンピュータとか物だけは多いんだなぁ。

本棚の裏にはコードが張り巡らされているし、上はホコリが積もってるから行かしたくない。オーディオやコンピュータには近づけたくない。危ないから台所にも入れたくない。

そんな訳で、“ココアよけ”を部屋中に張り巡らさなくてはいけない事態になってきた。

最初にカーテンを上り下りしていて微笑ましいと書いたけど、そんなささやかな幸福の日々は、ほんの1週間くらいで終わった。

全くあり得ないのは、ココアが家中の壁を、床となんら変わらないレベルで走り回れてしまう、という事だ!
こうなると単に行き道を塞ぐだけでは全然意味なし。小さなゲートを置くだけで大人しく部屋に居てもらえる小型犬なんてかわいいもんだ。

床も壁もココアを行かさないためのガードだらけになってしまった。

注意
「ココアよけ」は後に、「無駄な努力」かつ「我々の怠慢に過ぎない」と気付きました。そんなものは基本的に撤去です。
  • ホコリがあるから行かせたくない。
    ならば、毎日拭いてきれいにしておけば良かっただけです。
  • 大事なものがあるから行かせたくない。
    そんな大事なものならキチンとしまっておけばいい話でした。
  • スピーカを傷つけるから行かせたくない。
    いいんです。音が悪くなる訳でもないし、少々傷ついたって。ココアと暮らせばこうなることは分かっていたはずでした。

本来なら、ココアが自由に遊びまわれるような環境作りをすべきなのに、その努力を怠って、当時は「ココアの行動を制限する事」ばかりを考えていたみたいです。「はげ再び!」でも書いているように、リードでつないでおく、とか。酷い話。とても反省。

もちろん、ココアに身の危険が生じないようにするための最低限の「ココアよけ」は必要です。

ケージのお引越し

2000年8月18日

ココアは、小さなケージの中でバク転をひたすら繰り返す日々を送っている。
本当にケージの中に居る間中、起きている時は延々と同じ場所でバク転を繰り返すのだから、体に悪いんじゃないのかな、と心配になってくる

そんな事もあって、一刻も早くケージを替えてあげたくなったお世話係は、ペットショップのオヤジと相談して、ケージを大型のものに変更する事にした。

最初のオヤジとの打ち合わせでは、

  • 1 m 以上の高さのあるケージに...
  • 踊り場を適当に配置して...
  • 踊り場から踊り場には枝を這わして上り下りできるようにする。

ということだったのに、エゾリス用のケージとして売られているのは、上の写真のようなケージしかないらしい。
仕方ないので、「まぁ、99% 遊ぶでしょ」(by ペットショップのオヤジ) という大型回転ホイールを設置する事にして、これでココアのバク転もおさまるのでは!?と急いで帰ってきた。

で、その結果...

おまえは残りの 1 % だったのか?回転ホイールには全然興味を示さない。
それどころか、ケージの空間いっぱいを使って、またバク転を始めた!
そうか、ココアも成長に合わせて、バク転の回転半径も大きくしたってことか!

とかって言ってる場合じゃない!

まぁ、残念ながら、回転ホイールに興味を持たせてバク転をやめさせるという目論見はうまくいかなかった。

思うにエゾリスの場合、少しぐらいケージを広くしたところで、あまり意味がないような気がする。上方向にケージを大きく伸ばして(1.5 m とか 2 mとか)、上下運動が十分にできる広さを確保しない限り、バク転は止まらないんじゃないかな?

あと、回転ホイールに関しては、この程度ではココアの体格からしたら全然小さいという事だと思う。ココアのロングストライドって言ったら、50cm以上は軽く超える。そんなリスにφ40cm程度のホイルで何とかなるはずがない。
※ちなみに、これくらいだったら何とかなったかもしれない。

注意
ココアの運動量を、こんな小さなケージやおもちゃで何とか解消しようと考えていたなんて、本当にアホでした。
回転ホイールは、そもそも樹上生活のリスが使うようなものではない、という言う気がしています。体型的にも性質的にも、こういう「走らせる」遊具は興味ないのかも。ココアとの生活で上下運動が出来る色々な遊び場を作ったのですが、そういうのでは延々と上り下りを繰り返して遊んでいました。

ココア大移動

2000年8月

ココアもそろそろ日々の生活に慣れてきたある日、お世話係(♀)は実家に帰ることにした。
もちろんココアを連れて!!

神戸から東京まで、新幹線と在来線を乗り継いで、大移動を決行。
いつも走り回ってるココアを、こんなにも小さなキャリーケージに押し込むのは心苦しいけれど、いざ、出発。

箱入り娘のココアは、外に出るのも初めての体験。
あまりの環境変化に現実逃避を試みたのか、電車の中では放心状態のココア。キャリーケージに話し続けるお世話係の方がよっぽど怪しかったに違いない。

真夏ということで、キャリーケージを冷却剤で冷やしながら移動しなければいけなかったのが、ちょっと大変だった位で、意外にもおとなしく大移動は完了した。

お世話係(♀)の実家では、12歳になるセキセイインコがお殿様状態で超過保護に飼われているのだが・・・。

これを無視して暴れまくってくれたココア、もう少しで実家の出入り禁止処分を受けるところでした。

とりあえず、お疲れ様ココア。

はげ再びっ!

2000年10月

ココアとの生活も、すでに5ヶ月。ココアとの「公園デビュー」に向けて、ここ2ヶ月くらいリードを付ける訓練を毎日欠かさず行ってきた。
ま、訓練と言ってもケージから出る時は必ずリードを付けるようにしていた、ってだけの事だけど。

リードをつける事で、壁伝いに台所に行ったり、敷居をかじったりするのを防げるという利点があったにはあったが、

そんなのは、人間視点の大きな間違いだった。 -- つまりこういう事

よく見ると、リードが体に触れている部分の毛がはげてる!

これにはお世話係たちも本当にショックを受けてしまった。
リードを一日中着けているという子がいると聞いたことがあったのだけど。
精神的なものか、リードがココアの“お肌”にあわなかったのか、“フェレット用”のリードは、エゾリスにとって紐の幅が太すぎたのか?

気づいて以来、リードは一切着けていないけど、2ヶ月たった今、やっと胴回りの毛は生えてきた。首周りの毛は未だに生えそろっていない。

リードを着けられない以上は、残念ながら、「公園デビュー」の野望は遠くなったけど、それよりもココアの毛がきちんと生えそろう方が先だよね。

注意
今となっては、動きの激しいリスにリードをつけるなんていうのは、完全に間違っていたと反省してます。

冬毛への衣替え

2000年10月

とある本によると、エゾリスは夏と冬とで色の違う毛に生え変わると書いてある。2 匹のリスを飼っているような気になる、と。

我が家のココアにも、いつ変化が訪れるのか、もう10月だし...ドキドキ...。
でも、どうもそんな気がしない。確かに尻尾はフサフサになってきた。
いよいよかな?と思いながらウェブを見ていると...

エゾリスは色違いの毛に生え変わったりしないみたい!

例えば...
アニマルウォッチングツアーin北海道

なーんだ、と思っていたら...耳にまだ1mmにも満たない房毛を発見!
日に日に伸びていく黒い耳の房毛。
11月に入ってもその勢いは留まる事を知らない。
12月にはようやく落ち着いてきたものの、ふわふわの尻尾をフリフリさせながら、約4.5cmにも伸びた耳を立てて見つめられてはこっちがたまらない!カワイ過ぎる・・・。

何かの本に、『エゾリスは、生まれた翌年だけは、夏になっても冬毛のままである。』
なんて書かれていた。本当かどうかは、来年のお楽しみ。

ケージのお引越しⅡ

2000年12月

幼児期に使っていた小さなケージで半径15cm位から始まったココアの連続無制限バク転運動は、大きなケージにしてもその半径を大きくしただけで止まる気配は全くない。

一体どうしたらバク転をしなくなるんだろう。ケージの上り下りとか反復横飛びとかで済ます方法はないだろうか?

バク転運動は、フンやおしっこをケージの外に撒き散らし、、床に飛び下りたときの騒音を発し、鉄製のケージの床への着地はココアの爪を痛めているみたい。何より、ココアの健康状態がちょっと心配...という風になんとかやめさせたいと思う要因が多い。

もっと背の高いケージにしたらどうだろう?

ただ、大きなケージだと移動とか大変だから、掃除のしやすさも選定の大きなポイント。最終的にはHOEIの465Lという背の高いケージを入手した。
豊栄のケージ これなら、高さは 940mm もある。上り下りする枝(棒!?)もいれてあげた。

コウモリの様に見えるけど、天井にぶら下がっているココア

さぁ!どう?ココア。これなら回らなくても遊ぶスペースは十分あるでしょう!

ねぇココア...
大きく、高く、力強く、のびのびと...ケージいっぱいを使って、円弧を描き...あれぇ?ココア、結局回ってるしっ...!

これはどうしようも無いのかなぁ。ココアさえ目が回らないのなら、まぁ我慢できるけど...これでいいのかもしれない。と最近は思いつつあるお世話係達。

注意
外出するときにココアを部屋に放って行くのは不安だったので、ケージ環境を整えたかったのですが、並みの大きさではココアが満足して運動できる空間を確保するのは無理。

この辺りからケージ環境ではなくて、誰も居なくても安全であるように部屋環境を整えるしかない、という方向へ。ケージは置いてあるが24時間、開けっぱなし(つまり完全放し飼い)、という状態に移行するのは時間の問題でした。

超巨大ケージ

2001年2月

ココアは今日も元気に走り回っている。

ケージ内ではバク転を延々と繰り返し、ケージから出してやれば部屋中を所狭しと駆け回り、スキあらば、台所に入り込もうとする。

最近では、1.5mくらいの距離ならば難なくジャンプしてお世話係に飛びついてくる。距離が遠いときは少し後ずさりして、ちゃんと助走をつけたりなんかしてる。可愛いい奴...とても痛いけど。

こんなこのココアをずっとケージに閉じ込めたままにしておいたら...

例えば3日間とか。

考えただけでも、ゾッとする。っていうか可哀想だ。

実は、お世話係は3泊4日で旅行に行くことになっていた。日々成長し、お転婆になっていくココアを見ていて、小さなケージに押し込めたまま旅行に行くのが不安になってきた。そこで、ココアが4日間独りでいても、ハゲないような巨大ケージ、いいや超巨大ケージを制作する事を決意。その作業に取り掛かった。超巨大ケージっていうくらいだから、相当大きくなくてはいけない。本当は部屋一杯くらいのケージが欲しい。

HOEIのカタログを見ると、930mm×630mm×1450mm で定価116,130円。

高いっ!

引田天功は、自分の犬に数億円の山を与えているそうだけど、うちじゃ、11万円なんてとてもとても。つぅか無理。第一、普段からそれを使うのは、管理の面で無理だし、使わないとしたら、置き場なんてどこにも無い。

で、ホームセンターを物色していて、目に付いたのが...植物用の簡易温室の骨組み。これに金網張ればいけるんじゃない?

という訳で作ったのがコレ。

幅1800mm×奥行き900mm×高さ1700mm

11万円のケージより圧倒的にデカイ。後ろに見えるのはカーテンが掛かっているベランダの窓。右奥の方に普通に使っているケージが見えます。使わない時にはばらしてしまっておけばいいから邪魔にもならない。

なんか凄い状態だけど、他に面倒見てくれる人も居ないし、このくらいは飼い主の責任でしょう...と思っているが。
(もちろん、旅行の間の餌やりと水替えは、親にお願いしてやってもらいました)

流血事件

2001年3月

かじり木をカジカジするのは、ココアの毎日の習慣。

もちろん実際は噛みちぎって振り回して、投げて飛びついて、と虐待しているようにしか見えないんだけど...。

今日も元気にカジカジしながら転げまわっておりました。

しばらくすると、いつものように、ぐるるるるー、ふんぎゅー、キーという声が。毎日懲りもせず頭を突っ込んではまっているのです。ま、1、2分も続けば長いほうなんだけど。

がっっ、なんか変! 今日は本気で怒っているみたい! かじり木に挟まったままのココアをケージから出してみると...やはり抜けなくなってしまったみたい。ちょっぴり押してみたりもしたけど、もう抜ける雰囲気ではなくなってる!!!

落ち着け~

ココアに大丈夫だよ~なんて言いながらニッパとペンチを取り出して、顔が挟まっている反対側から木を切り始めた。少し間違えたらココアをキズつけてしまう。でも1秒でも早く助けなくっちゃ!

切っている間もココアは苦しんでいる。木の端に赤いものがにじんで見える。出血は間違いなさそう。

バキッ、 バキッ、 えいっ

無事救出!

ココアは必死にグルーミングをはじめている。

木にはかなりの出血が見られる。

ココアの口をこじあけてみると...もうどこにも出血は見られない。痛がる様子もない。口の中だから消毒は出来ないし。化膿しない事を祈るばかり。病院に行っても、抗生物質と消炎剤を出されるだけだろうし...。

何よりこれ以上、ストレスはかけられない。

今日は固いごはんはやめておこうね。

と思ったら、次の日にはクルミをバキバキしているココア。ちょっと心配だけどビタミンC、B群、ナイアシンと葉酸の強化メニューで乗り切りました。

この後かじり木にはしばらく近づかなかったココアですが、2ヵ月後には元気に頭突っ込んでるし。

もちろん、もう挟まらないように細工しています。

今では丸太をカジカジしているココアです。(食器棚もね)

動物ってとんでもなく無茶をする事がありますね。油断は禁物だと再認識させられる事件でした。

ココア大脱走

2001年5月

これは、みゆき's 実家での出来事です。

今日はママさんと久々の映画。
ココア、お留守番ヨロシクね。

しかし、留守中の家では、とんでもない事が起きていたのです。

家に帰る途中、妹より tel が

♪~♪♪
「あ、ごめん、今電車の中だから後でかけるね~」 プチッ

で、再度かけ直したところ、『ココアが居ないんですけど・・・』ってあんたっ! そんな大事な事は叫びなさいよっ!

駅から猛ダッシュで帰ってケージを確認。

いないっ!! 本当にいないっ!

窓は全部閉まっているから、この家のどこかにココアがひそんでいる。ココアが犯したであろう痕跡が部屋中にある。かぼ種の入ったタッパが開けられ、20個程食べられた跡が! カーテンは半分以上レールから外され、ボールに入れておいたはずのプチトマトがばら撒かれている (葉を取っていて良かった)。

ママさんが通販で買ったばかりの健康器具もかなり悲惨な事に。(ま、どーせ使っていないんだからいっか)

齧る事が出来るものは全て齧った様子。変なもの齧って、体調悪くなってないかなー? どっかに挟まって動けなくなっているのでは?

冷蔵庫の中まで探したのに居ないなんて。

その時、ふと視線を感じて振り返ると・・・。本棚に押し込んでいるヌイグルミを外に出して、代わりに自分がヌイグルミと化して寝そべっているココアの姿があった(お気に入りのヌイグルミは出されていなかった)

家中「ココア~~」と叫びながら走り回っていた私を、ココアは高い所から眠そうに見ていたわけだ。

その後、ココアは本気で逃げ回った。

家の構造を知り尽くしたココアを捕まえるのは容易な事ではなく、本能のままに逃げ回るココアに私の動態視力が追いつくはずも無かった。

こんなに早いココアを見たのは、この事件の後にも先にもこの一度きりである。

ココア捕獲に協力してくれた妹は、オデコに名誉のココア傷を受けました。

ダイブされちゃったのね。

ケージの鍵の掛け方が甘かったという私のミスでココアを危険な目にあわせてしまった事件でした。もしココアが有害なものを食べていたら...何かを落としてその下敷きになっていたら...この世にはいなかった事でしょう。