3年目
いつも通りの朝、いつも通りに暴れまくって筋トレに励むココア。
いつも通りカーテンの裏に隠れてイタズラを始めた。
ガリガリ音がする。
「コラ!壁かじらないの!」と言ってやめさせ、ちゃんと現場は見なかった。
「ガリガリ」「コラ!」を何度も繰り返した後、なにかがベランダに走り去っていく影がガラス越しに見えたような・・・
なんだかココアっぽいかわいい動きしてたけど・・・?。
ん?ちょっと待って!!?? ココア!?
カーテンをめくると、窓の上にある小窓があいているではないか!ガムテープで固定していたハズなのに・・・
何で?いや、原因追求よりも、今はとにかくココア確保だわ。
ココアが左隣のベランダへ去っていくのを確認した後、ココアの大好物である木の実ミックスを抱えてベランダへ飛び出した。
左隣のベランダを見ると、ココアがいないっ!
右隣のベランダを見ると、なんと楽しそうに遊んでいるココアの姿があった。木の実を取りに行っているスキに、右隣へ移動したようだ。
「ココア、ほら、クルミ取り放題だよ~」
名前を呼んだら来るようにしつけてあるのに、今はチラッと私をみるだけ。チラ見しながら距離は少しずつ遠くなっていく!ココアの好奇心には勝てないらしい。
そういっている間にココアは右隣の家の網戸にへばりつき、バキバキ音を立てて上下運動を始めた。かなりウルサイ。
とりあえずベランダの窓を全開にして、入り口に木の実をばら撒き、隣の家のインターホンを押してみる。
良かったのか悪かったのか、お留守の様子。
再びベランダに戻り、とにかく叫びつづけた。
「ココア~!ココアー!!」
ココアの姿が見えない。右側か左側かもわからない。
同じフロアの家全部に連絡してみようかと考えていた時、私の異常な叫び声に驚いたのか、右の隣の隣の家の人がベランダに出てきて、すごい顔(失礼)でこっちを見た。
その瞬間、ココアが右隣のベランダに戻ってきた。ココアは知らない人が大嫌い。慌てて戻ってきたのでしょう。
隣のベランダに不法侵入しようかとも思ったけど、ここは5F・・・ココアを掴んだまま移動するのは危険。
もう、クルミを持って叫ぶしかない。
体半分隣のベランダに侵入しつつ、クルミを見せるものの、ココアはお隣のベランダにある鉢植えを掘って遊ぶ事に夢中。メチャ楽しそう。
「どうしよう・・・」
ココアの呼び方には、いくつかの種類がある。
ご飯をあげる時 | 「ココちゃ~ん♪」 |
おやつあげる時 | 「コッコー」 |
怒る時 | 「ココアッ!」 |
が主になっている。
ベランダで「コッコー、ココちゃ~ん♪」とアホみたいに叫ぶ私を哀れに思ってくれたのかどうかはわからないが、ココアがソロソロと近づいてきた。
クルミを見せると、ベランダの手すりの上のスベスベした部分にジャンプして飛び乗った。
ひぇ~!!そんな危ないことやめてよー!ココアはおっちょこちょいだから、普段、つるんとよく滑るのだ。
そして...度胸試し。賭けに出た。
むんずっと掴んだ。もう絶対放すものか!!
内臓押されて、吐き気がしてても気にしないもんね
そのまま全開にしていた窓を全て閉め、小窓にはNewガムテープで応急処置。一度攻めた所はしつこいから気を付けなくちゃ。
戻ってきたご褒美は、ピスタチオ2個(ケチ?)
時計は9:33
ほんの3分程の出来事のようです。
とにかく記録を残そうとココア日記を書こうとしても、手が震えて字が書けない状態。
9:55
何事も無かったようにココアは部屋を走っています。
後になって冷静に考えると、隣の家の小窓も空いていたのよね。そこからもし、ココアがお隣の部屋に侵入していたら・・・とんでもない事になっていたでしょう。
さて、原因と対策です。
小窓のロックは二重になっており、リスに開けることは不可能と思われます。ただ、カギが甘くなっていたため、偶然が重なるとあけることができる状態でした。
そこで外観は最悪なのですが、ガムテープを貼って小窓そのものを固定していたのです。しかし点検を怠ったため、テープの粘着力が弱まり、そこをかじってテープを剥がし、ロックを解除し、窓を開けて脱出したようです。
目視だけでなく、触って確認しなければいけません。
こうして考えると毎日の点検項目ってたくさんありますね。
ココアが家出によって得たものは、おでこの傷でした。傷というか、毛をかき分けると、小さな穴(ハゲともいう)が出来ています。
出血も無く、本人も気にしていないようなので、良いことにしましょう。想像ですが、窓から無理に出るときに作った傷でしょうね。
ココアがどこまで旅したのかはわかりません。
飼い主への秘密が一つ増えたココちゃんでした。
そして、そこまでして家出をしたココアさん、今日は久々に膝の上でお昼寝です。