ココア

エゾリスとキタリス

ココアはキタリスという種類の大型リスです。「大型」と言っても、日本では“リス”といえばシマリスを指すことが多く、シマリスに比べたらかなり大きいので、私たちが勝手にそう言っているだけ、なのですが。

体長は鼻の先から尻尾の先までで50cm近く。シマリスが大体25cmくらいだと思うのでかなり大きいですよね。体重も3倍くらいあります。

キタリスは北海道に住むエゾリスの亜種で、姿形はエゾリスにそっくり。
チャームポイントはぬいぐるみのような色分けになっている茶色い背中と真っ白なお腹の毛並。そしてもちろん大きな尻尾、フサフサの耳の房毛。見ているだけでタマリマセン、という感じです!
この耳の房毛は冬にだけ立派に生えそろいます。

エゾリスノートでは、ココアの事をエゾリスと呼んでいる個所が沢山あります。

実はココアをお迎えした当初は、「キタリス」という種類について全然知りませんでした。
私たちはショップにエゾリスが欲しいと相談して、お迎えした時も「エゾリス」と言われて受け取ったので、しばらくココアの事をエゾリスだと思っていました。
実際には北海道に住んでいるエゾリスは鳥獣保護法により狩猟や飼育が禁止されていて元々市場には居なかったのです。

そんなこんなでエゾリスノートの初期の記事ではココアの事をエゾリスと呼んでいて(タイトル自体がそうですし)、その点正確ではないですがご了承ください。

ココアのプロフィール

2000年10月16日に測定

名前ココア
誕生日2000年4月中旬(推定)
性別メス
体重340g
身長全長48.5cmm
鼻先~尻尾の付け根 24.5cm
尻尾の付け根~尻尾の先 24cm

ココアには、茶色と白の毛並の境にとても鮮やかなオレンジ色の毛並があって、このオレンジもココアのチャームポイント。ロゴマークのベースカラーにしています。

ココアの棲み家

本宅

高さ1400mm 幅755mm 奥行455mm

SANKO製のF8-3というケージを2段重ねにしたもの(F8-3(改)現在廃盤)。詳細はここを参照してください。

ケージは置いてあるものの、このサイズでは狭過ぎてこの中で飼うことは出来ません。ココアはこのケージに、寝るためと、ご飯を食べるのと、トイレをしに時々帰っています。
ただ、どうしても窓を開けなくてはいけないとか、何かあった時の緊急用としてこのケージを置いています。

寝床は、天井近くに取り付けたフリース生地のハンモックです。
2つ折りにしたフリースの隙間に器用にスルッと潜り込んで寝ています。

ハンモックが大好きな小動物は結構いるようですが、ハンモックにタオル生地は絶対に使わないようにしてください。
爪が引っかかって大怪我をするリスクが非常に大きいし、小動物にとって怪我はすぐに命に関わります。フリース生地でも段々とほつれてくるので、注意して頻繁に交換してあげる必要あります。

別荘

朝起きてしばらく暴れた後、大体、このハンギングバスケットの別荘でお昼寝をします。時々網の隙間から鼻先だけ出して、周りの様子をうかがってます。

ココアの別荘は他にもあちこちにあってその日の気分で渡り歩いてます。お気楽なもんです。

お気に入りの場所

部屋の中で一番高い場所です。この上で寝そべってのんびりするのが大好き。お世話係を上から眺めるスポットでもあります。

色々なケージ

彼らの運動量は半端じゃなくて、行動範囲は3次元的で、縦にも横にも広々とした空間が必要です。ココアはすぐに部屋での放し飼いになったのですが、上にも書いた通り緊急用としてケージは必要。
じゃ、どれほどのサイズがいいのかということでショップのお勧めもあったりして、最初は下の写真のような小さいものからスタート。でもこんなんじゃいくら緊急用と言っても全然ダメ。とはいえ大きすぎても、災害でもあって連れて逃げるとき無理だし、という事で上のF8-3(改)に落ち着きました。

食事

ココアはリスのイメージ通り、やっぱりナッツ類が大好き。でも大好きだからといって、ナッツばかりあげていたら健康上問題です。自然界のリス達は大量に木の実を食べますが、彼らは厳しい自然環境を生き抜く必要がありますし、彼らが生きていられる期間はほんのわずかです。

飼いリスのココアは、ぬくぬくとしたエアコン完備の生活を送っているので、もちろんナッツばかり食べさせるわけにはいきません。
食べている姿がかわいいからといって、好きな物ばかりあげるのは虐待みたいなもの。

とはいえ、ココアの好き嫌いは結構激しくて、もう大変。
色々な遍歴があるので、別のページで紹介します。

習性とか性格とか

ここに書く習性とは、“我が家のエゾリス”であるココア独自の習性です。まぁ、大体のエゾリスに当てはまると思いますが、これってココアの「性格」だよね?という面も多々あり! すべてが一般のエゾリスにも当てはまるわけではありません。

エゾリスは暑さに弱い!

これは、ココアだけじゃなくてどんなキタリス(エゾリス)にも当てはまる大事な点!
キタリス・エゾリスはその名の通り北半球の寒いところが出身地です。寒さには強くても暑さにはとても弱いのです。

気を付けて欲しいのは、自分(飼育者)の住んでいる環境に彼らが適応する事を期待するのは間違いという事です。

彼らは高温多湿な環境には適応出来ないのです。適応出来るくらいなら生息地域をもっと南に広げていたでしょう。人間は汗をかいて温度調節できますが、リスの体に汗腺がありません(鼻や足の裏にはあるようですが)。その上、あの毛皮を着ているので、人の感覚では想像できない暑さでしょう。

キタリスと一緒に暮らす以上は温度管理は絶対に必要です。

クーラーは体に悪いのではないかと心配される方もいるようですが、クーラーが体に与える影響よりも、暑さの方がリスにとっては危険なようです。

クーラーを付けたり消したりすることによる温度差が体に影響するのは事実です。だから温度差をなくすために、24時間クーラーを稼動させておくことになります。

換気も重要ですが、最近は換気機能のついたものが当たり前ですから、それほど心配は要りません。
適温は健康な状態で22℃だと言われています(仔リス、高齢リスはもう少し高めがいいかも)。もちろん、直風は避けなくてはいけません。

我が家では、夏は6月くらいからクーラーを入れるようになり、7月に入る頃には24時間フル稼働状態になります。これが9月中頃まで続きます。冷夏と言われた2003年夏もやっぱり同じくらいです。

もちろん、電気代は結構痛いのですが、ちょこちょこと付けたり消したりするより、24時間付けっぱなしの方が安く済むようです。

エゾリスは人に馴つくか

“馴つく”とはいったいどういう状態の事を言うのでしょう

犬や猫のように友達の様になる事を“馴つく”とすれば、エゾリスにそんな事を求めるのは不可能です


トイプーのネネちゃん

エゾリスは木の上を主な生活場所とし、「単独行動」が基本なので自分からコミュニケーションを図ったり、人と協調して何かをしようとすることはありません。 同じリスでも群れで行動する種類は、その性質は大きく違うようですが。

当然、しつけができるとか、忠誠心を見せるとかは絶対にありません。犬や猫とのような関係を求めるのであれば、犬や猫を飼うべきでしょう。
エゾリスと一緒に暮らすといっても、彼らの独立性を尊重し理解してあげなくてはいけません。

ココアは人に馴ついたか

単独行動のエゾリスの事を考えれば、近くに人が居ても気にしないとか、人間の生活空間に適応するとか、つまり彼らが今の環境に“馴れて”くれたら、それでもう成功といえると思います。

そういう観点に立てば、ココアの場合、赤ちゃんの頃から飼い始め、全身傷だらけになりながら(エゾリスの爪はするどい!)育てた結果、「とっても」馴ついたと言えそうです。
(もちろん、犬や猫のように一緒にじゃれあえるなんてものじゃありません)

  • 少なくとも、私達を見て驚くとか、逃げるとかはありません。
  • 餌は、何の抵抗もなく、手から食べるし、肩や手の上でも食べてます。
  • 自由に部屋中を走り回って遊んでいます。ただし、一人遊びが基本です。
  • 「一人遊び」が基本ですが、自分からまとわりついてきて、人の体を登ったり、降りたりする行動は大好きです。
  • 眠い時は、手の中で眠ったりします。
  • 辛抱強く訓練した甲斐があってか、最近では機嫌のいい時に呼べば跳んできます。

じゃぁ、屋外に散歩に連れ出せるか、というと、今の段階ではとても出す勇気はありません。やっぱりそこは単独行動派のエゾリスです。大喜びでそこら辺の木に登って二度と帰ってこないでしょう。リードつけるのもかわいそうだしね。

まぁそれでも私たちにしてみたら、めっちゃ馴ついてくれたなーと実感しています。ちゃんと私たちの事を他の人とは識別して認識してくれているし、時々私たちに向かって怒っていたり、気配を消して、こそーっとツリーの上から私たちを観察していたり。
本当にかわいいし、楽しい毎日です。
この上、犬や猫のように「馴らそう」とか「馴つかそう」と無理をする事は、ココアにとっては耐え難いストレスかもしれません。

桁違いのパワー

ちょこんと座ってごはんを食べる愛らしい姿は、エゾリスのほんの一面でしかありません。

ごはんと寝ている時以外は、ほとんどじっとしている事はなくて(別に飼主に似たわけじゃないんだろうけど)、縦横無尽に部屋を走り回って、半端じゃない脚力でジャンプし、強力な握力と爪の鋭さで壁をガンガン登って行きます。目についたあらゆるものを齧ってみて、壊しまくり。

もちろんハムスターやウサギのように、手の中でおとなしくじっとしているなんて事は、まずありません。というか、本来人に触られることは大嫌いなのです。当然、捕まえたって嫌がるし、背中や尻尾を撫でて感触を楽しむなどという「自己満足」を得ることはできませんよ~。

何でもかじる

エゾリスに限らず、げっ歯類 (ネズミ、リス、ハムスター等) は、一生前歯が伸びつづけます。伸びすぎると、毛繕いが出来なくなり、食事を採ることも出来なくなって死んでしまいます。だから、伸びつづける歯を擦り減らすために、常に何かを噛んでなくてはいけないのは仕方の無いことです。

ココアももちろん、何でも「まずかじってみる」をいつも実践しています。大事にしていたNotePCもカリッといかれてしまいました。数え切れない程のヌイグルミも、ココアによってバラバラにされてしまいました。
もちろん、家具や家の柱も、ココアにとっては最高のカジリ木です。詳しくはココを見てください。

かじる力は強力で、ひと噛みで革の鞄なんかは噛み切られてしまいます。なんせ、あの固いクルミですら、割って食べちゃうぐらいですから。だから、電源コードや大切なものは特に注意して隔離しておくようにしています。

今は、むやみに噛みついたりしない程度に馴れましたが、たま~に、こんな風に懲らしめられる事があります。でも、噛まれる事にも慣れたので、これくらいの流血では、写真をとる余裕があったりします(^-^

エゾリスの噛まれた図

鳴き声をだすのか

滅多に鳴きません。でも完全に無口というわけでもありません。
結構、いろんな鳴き方をします。でも文字での表現は限界があって、全部ここに書けないのが残念!

  • 「クックッ」と低い声で鳴く
    カーテンを駆け上るときとか、体に駆け上るときとか、楽しい時に発するようです。
  • 「チュッチュッチュッチュッ」と甲高い声で小刻みに鳴く
    声に合わせて尻尾を上下に振り、後ろ足でジダンダを踏みながら鳴きつづけます。この時下腹部も声にあわせて動きます。状況から判断すると、警戒している時に発するようです。
  • 「キューギャーッ、フギュー」など、甲高い声で鳴く
    怒っているときです。クルミを取り上げたときとか、ケージに入れるために捕まえたときなどに、この鳴き方をします。
  • 「ビーッビーッ」と、金切り声をあげる
    痛い時の声です。
  • 「ンフンフッ」と、低い声で鳴き続ける
    発情している時によく発します。でもそうじゃないときも、こんな鳴き方をする時があります。

オシッコや糞はどんなのか

赤ちゃんの頃は、一度に沢山のオシッコをしていたのですが、大人になってからは、ほんの少量をどこででもするようになりました。
糞は、丸くて小さな糞をポロポロと沢山します。色や大きさはその時の食事の状態によってまちまちなので、赤くても緑でもびっくりしちゃいけません。

ココアは0歳の秋以降、ケージの外ではオシッコもフンも全くしなくなりました。はっきりとした理由は今のところわかりません。成長したからとか、環境に順応してきたとか、そういうものなのかもしれません。

オシッコも糞もとてもにおいが強いので、ケージは毎日掃除が必要です。

大抵の本などには、巣の掃除は毎日しないほうがいいと書いてあります。しかしっ!一日掃除をしないだけで、ココアはその夜、巣で眠る事を拒否します。リスだって個体差があるんだと自分に言い聞かせて掃除に励むお世話係なのです。

冬眠はするのか?

エゾリスは冬眠なんてしません。雪の中でも活発に走り回るのです。(名前の似ているエゾシマリスは冬眠するのでお間違いなく。)

冬眠しなくてもココアは所詮飼いリス。エゾとは名ばかりな、暖かいのが大好きな弱っちぃ奴なのです。

狭いところが大好き

好奇心旺盛のココアは、とりあえず何でもやってみるチャレンジャー。タッパーの蓋だって自分で開けて隙間からもぐっちゃいます。

ベビー時代はポケットの中でお昼寝していた有袋類もビックリの袋好き。

隠す!

食べ物はいろんな所に隠したがります。気を付けておかないと、トンでもないところに隠してしまいます。特に11月以降から張り切って隠し場所を探しています。

冬に備えて食料を貯蔵しておこうっていう、リスの本能でしょうか? ただ、食べ物に限らず、ボールペンや洗濯バサミなんかも隠しちゃってます。

おまけに、隠した食べ物は15分以内に掘り返して、結局はココアの胃袋に納まっている現状。そんなんじゃ冬を越せないよ。