リスのお便り

シッポナちゃん Story 1

2003年 春

これは、アメリカ東海岸に暮らす“シッポナ”ちゃんというリスのお話です。
このお話は、サウスキャロライナ州にお住まいの佐知子さんが教えてくれました。

シッポナちゃんを見守る佐知子さんのおうちには、大きな松の木があって、沢山のリスが住んでいます。

その中でも、シッポナちゃんはリーダー格なのか、餌場の第一発見者なのか、他のリスに邪魔される事なく、毎日大きな態度で餌を食べています。

その上、彼女だけが知っている、秘密の餌場もあるのです。
佐知子さんの行動をそっと見ていたシッポナちゃんだけが、松の木から屋根に飛び移るルートを知っています。そうして、秘密の餌場にたどり着けるのです。

実はシッポナちゃんには尻尾がありません(そう、それがシッポナちゃんの名前の由来です)。耳も噛み千切られた跡があります。片足も不自由で常に引きずっている状態です。この足は、銃で撃たれた可能性があるようです。

これまでの多くの闘いを物語っているようですね。

ハンデをものともしないでたくましく生きていく姿に、佐知子さん同様、私達も励まされます。

以下に佐知子さんからいただいたメールを紹介します。
こんな羨ましいシーンにも出会えるそうです。

カナダのバンクーバーを訪ねた時は黒リスが多かったです。密集住宅のせいか、友人宅の近所もリスだらけで、かなり人間慣れしているらしく、ベランダから家の中に入り、すばやく林檎を持ち去る姿は可愛かったですよ~。

公園でランチをした時の事です。野生のリス達が沢山いて、とても可愛かったです。すぐ近くまで来て私たちの食べているピザを催促している様子でした。チーズブレッドを小さくちぎって投げたら、木の上まで持って行って美味しそうに食べていました。

佐知子さんのように、餌台を用意してくれたり、そっと見守ってあげたりする人たちがいる環境のリスたちは幸せですね。
でも、人間のそばで生きているリス達にとって、必ずしもいい事ばかりでは無いようです。

残念ながらアメリカではリスを銃で撃って食べる人もいれば、野生は狂犬病を持ってくるからとライフルやエアガンで撃つ人もいます。また車に轢かれているリス(野生動物)も沢山みかけます。日本と違うところはリスやアライグマやスカンクは何処にでもいる野生動物なので、ペットとして飼う人はいません。

去年の秋の出来事ですが、犬の散歩中、道端にふわふわとしたリスの長い尻尾だけが落ちていました。木から落ちた時に車に轢かれたのでしょうか?

リスの行動にはなぞが多いです。道路を横断する時なぜか車の前で立ち止まることが多いので、交通事故に遭ってしまいます。アメリカでは「リスに注意」のサインが売っているので我が家の前にもつけておこうかな?(笑)

それでも、リス達を町ぐるみで大事にしているところもあるそうです。

カンザス州のメアリーズビルという町は、リスを殺すと罰金が科せられるそうです。 リスが道路を渡るときは、車は一旦停止!リスの「飛び出し注意」のサインもあるそうで、ぜひ、見てみたいです。

Black Squirrel City, Marysville,KS(黒リス都市メアリーズビルの記事)

オハイオ州では、渡り鳥のカナダガン(グース)を殺すと、罰金500ドルという法律があるそうです。子供を沢山連れたグースが道路を渡る時は、車が渋滞するそうなので、ちゃんと法律が守られているという事だと思います。素敵な事ですよね。

日本でも、そういう活動が無いわけではないのですが、もっともっと広がってくれたらいいのに、と願うばかりです。

佐知子さん、素敵なお便りを本当にありがとうございました。
これからも、シッポナちゃんを見守ってあげてくださいね。

シッポナちゃん Story 2

2004年 春

シッポナちゃんがママになりました!

この写真は子リスを産む2~3日前だそうです。
食欲旺盛で「太ってるね~」って言ってたところ、その後子リスを産んだようで、痩せておっぱいが垂れ下がっていたそうです。

たくましいシッポナちゃんの遺伝子を受け継いで、立派なリスに育って欲しいですね!

佐知子さん、お便りありがとうございます。
お腹がパンパンのシッポナちゃんの姿も可愛いですね

2004年 初秋。佐知子さんからの追伸です。

春に生んだ子リスはもう大人のリスと同じくらいに成長しているそうです。
シッポナちゃんのお腹を見ると、うっすらですが、乳首が伸びて吸われている形跡があるそうです。
この写真では分かるかな~?

佐知子さん、シッポナちゃん情報をいつもありがとうございます。
私達も、ますますシッポナちゃんに会いたくなってしまいました