ミルフォードトラックを楽しむためのチョットしたTIPSと色々情報
最終更新日 2024-2-19
2019年12月末と2023年12月末にニュージーランドのミルフォードトラック(Milford Track)をguided walksで歩いてきました。
ここでは、絶景好きアラフィフ夫婦の我々の経験をもとにした私見を備忘録で書いておこうと思います。
行き方や、詳しい内容は公式サイトや多くのサイトが記しているので、それは軽く振れる程度として、ミルフォードトラックの申し込みのちょっとしたコツや、荷物やサンドフライ対策のポイントなどのマニアックな内容をここに書こうと思います。
ただし、ここに書いているのはあくまで我々の経験値です。実際の各種手続き、予約方法、スケジュールは、その時々で変わってくると思うので、都度確認するようお願いします。
ここでは、Ultimate hikesが運営するガイド付きウォーク(Guided Walks)を個人的に申し込んで参加する方法を対象としています。
ガイド付きといっても、ガイドに従ってぞろぞろ歩くというものではなく、トラック上ではほぼ単独です。ロッジを出発したら、すぐに目に飛び込む感動的な景観の中を自分のペースで歩き、脇道に入ってみたり、河原に降りたり、湖で泳いだり、そういうのは自由です。
ガイドは途中のランチ小屋で飲み物を用意してくれたり、脇道にそれて帰ってきていない人が居ないか確認する、といった役割です。(それだけって事はないですが)
ガイド付きウォークの何がいいって、すごい秘境にいながら、夜は明るく広いロッジでビーフやサーモン、ラムの食事と美味しいニュージーワインにありつけるうえに、完全個室での清潔なベッド、暖かいシャワーがあるということです。
そんなロッジを渡り歩きながら踏破するフィヨルドでは、美しい鳥のさえずりが響く素晴らしい景色の中、ウェカやロビンといった鳥たちや、運がよければケアとも出会えます。正直かなりお高いですが、その価値があると思います!
Milford Track Guided Walksについては、本家Ultimate Hikesのサイトが詳しいので是非見てください。日本語も選択できます。
参考
では、参加のコツとか、なんだかんだを書いていきます。
トレッキングやアウトドアを専門にしている日本のツアー会社のサイトを色々検索していると、ホテルから飛行機、ミルフォードトラックまで丸抱えで面倒見てくれる会社もありますが、丸抱えと言っても結局ミルフォードトラックはUltimate Hikesに申し込んで参加するわけなので、いくらかはマージンが発生します。ただでさえ結構お高いので、ここは自力で行きたいところ。
今は全部ネットで予約できるし、Google翻訳とかフル活用で何とかなりました。
後で詳しく書きますが、全体としてはこんな感じ。
1月 | クイーンズタウンのホテルをExpediaなどのサイトで予約する |
---|---|
2月 | Ultimate HikesのサイトでMilford Trackの参加予約 |
2月 | Air Newzealandのサイトでエアチケットを買う |
6月~8月 | 荷物はできる限り軽くしたいので、軽くて良さげなアイテムを厳選したい。特に衣類など速乾性の高いものとか夏の間に揃えた方がベター。今どきは、一年中なんでもネットで買えてしまいますが、やっぱり夏のものは夏のうちに用意した方が品揃えも豊富でいいと思います。 |
9月~ | 一応、それなりの距離は歩いておいた方がいいかも。我々はコメ袋をリュックに入れて10kgくらいの荷物を一度背負って歩いたりしました。 |
出発直前 | 2~3週間前くらいにNZeTA、出発24h前にNZTD、AirNewzealandのオンラインチェックイン |
11月~1月 | いよいよニュージーランドの夏到来。いってらっしゃい! |
では、上記の流れの中でポイントをもう少し詳しく書いておきます。
個室、快適なベッド、暖かいシャワー、といってもそういうグレードの部屋を予約する必要があります。
Ultimate hikesで泊まるロッジには、シャワートイレ付完全個室と6人部屋シャワートイレ共用の2パターンがあります。 マックス50人で、部屋には限りがあるため、完全個室をとるならできるだけ早い段階で予約を入れておく必要あり。 6人シェア部屋は全部で18ベッド、完全個室はクイーンルームが12部屋、ツインルームが4部屋しかないので、世界を相手に競争率は高いです。
ミルフォードトラックのシーズンは、11月から次の年の4月まで。このシーズンの予約開始日はいつか、というとサイトには「2月中旬」と書いてあります。 ですが、これを信用してはいけません!日本人の勤勉さからしたら、まぁ世界なんてアバウトなもんです。 なので、確実に予約開始日を知りたいわけですが、それを知る方法があるんです。
↓ これ
今までの経験上、2月中旬だよ、と言っておきながら大体1月/Eとか2月初旬にオープンします。(2024年は2月中旬にオープンしたようです)
もし、このメーリングリストへの登録フォームが見つけられなかったとしても、トップページの [Contact Us] から、 Milford trackの予約開始はいつや?と問い合わせしておくと、同じようにメーリングリストにメールアドレスが登録されて予約開始日にメールが届きます。
て感じのメッセージを送っておきましょう
絶対いい部屋をとりたい人は、これをやっておきましょう
本当なら2,3週間ニュージーランドで過ごして、その期間にミルフォードを歩いてくる、とかいうのが優雅でよろしいんですが、休暇の少ない我々はそうもいかず。鬼最短の日程でいくとしたら以下の感じになります。
クイーンズタウンは、バケーションやバックパッカーの拠点になっているようで、ものすごい数のアパートメントやホテルがあります。ですが、特にサマーシーズンは世界中から人が押し寄せるらしく、いい条件のホテルは予約がとりにくい状況だと思います。
我々は、2回ともダウンタウンに近いHeartland Hotelに泊まりました。荷物は問題なく預かってもらえます(クイーンズタウンのホテルはどこでも大丈夫のようです)。部屋が広く綺麗で1,2泊するには十分なホテルですが、坂の上にあってちょっとしんどかったかな。
エアチケットは、現状日本から直行便で行こうとしたら、Air New Zealand 一択。10時間くらい乗るので、プレミアムエコノミーを使いましたが、プレミアムエコノミーは機体によって席数が全然違って21席しかないものもあり(B787-9がそれ。今回我々が乗った機体はこれ)、これも早めに予約必要。国際便は出発日の330日前から予約できます。
なお、2019年に行ったときはプレミアムエコノミーは、エコノミー料金+5万円で、座席が広く、食事や飲み物のグレードがちょっと良くてかなりお得感あったんですが、2023年は、+10万となっていて、エコノミーのほぼ倍の値段になってしまいました。
ミルフォードトラックは、全長54km。区間最長は最終日の21kmです。標高差約700mの峠越えもあるので、できる限り荷物は軽量化したい。 出来たら、リュック自身の重量を入れて、8kgくらいには押さえたいところです。
これに、実際にはランチと水の重量が加わるので、毎日10kg近い荷物を背負って歩くことになります。
荷物に関しては、個人個人で必要なものは変わるので、ここに書いていることを鵜吞みにしないでください!
ご自身の経験を元によく吟味をお願いします。
必要な荷物で軽量化できそうなモノを書いておきます。ご参考に。
ロッジでは基本サンダルで過ごします。なのでずっとサンダルを持って移動するので、これは是非とも軽量化しておきたいところです。私は色々物色した結果、ABCマートの店頭に大量に売り出してあった¥2000くらいのサンダル。28cmで344gでした。これなんかは夏しか売ってないようなので、夏のうちに、しかも早めに買っておいた方がいいようです。
UNIQLOのウルトラライトダウンで決まりですねー。夜は結構寒いし、峠越えのランチ小屋では必須です。ただ、これもいつの時期に行くかでかなり変わると思います。11月と12月では全然気温が違うようなので気を付けてください。
軽量化のために最小限で、トレッキング用1セットと、室内着(寝衣)1着。下着だけ2セットで行きました。
トレッキングが終わってロッジに到着したら、まずシャワーを浴びます(我々は)。その時に新しい下着と寝衣に着替え。トレッキングで着ていた服は下着や靴下も含めて全部洗濯して乾燥室に放り込んでおくと、ディナーが終わったころには乾いています。
なので、この辺りは毎日洗濯して乾くことを前提に最小限でいいと思います。
ちなみに、「寝衣」といってもこれでディナーに行くことになるので、完全にパジャマだとちょっと恥ずかしいかも。
これは要らないのでは?というのが我々の結論です。レインウェアのパンツをトレッキングパンツの上に重ね着で履いて歩くのは本当に大変で履く気にならない。これを省略することでかなり軽量化できました。ただし、直接雨があたると体温が奪われる・・・ということでもあるので、このあたりは個々人で慎重に決定してください。
レインウェアの上は絶対に必須!12月期はめちゃ雨降ります。
これが一番悩ましいところ。カメラやスマホ、その充電器、ケーブル、予備バッテリなどを持っていくと結構な重量になります。
22時に発電機が停止するので、一晩かけて順番に充電することができないので、トレッキングから帰ってきたら、電化製品は一気に充電したいところ。となるとケーブルやら充電器やら増えてしまうんですよね
スマホについてはWifiもモバイル通信も音声通話もできないので電気を食うのは撮影くらいですかね。自分はカメラは別に持って行っていて、スマホはGPSログのみフル稼働させていましたが、ほとんどバッテリは減らず、ロッジに帰ってからの充電で十分100%になりました。
モバイルバッテリは要らないと思いましたが、スマホをカメラとして使用する上で、心配だったら小容量で軽量のものにするかです。自分はelecomの5000mAh 108gを持っていきました。(全く使いませんでしたが)
GoProも使い方次第ですが、これはさすがに心配なので、予備バッテリを何個も持っていきました。1個34g。うーん重くなるなぁ。
小物を入れるポーチなんかも、もうこの際ジップロックとかにしたら軽量化できますよ!「このくらい」と思っていたらあっという間に数百グラムくらい増えるので、1つずつグラム単位で軽量化しました。
ミルフォードを調べている人だったら、「サンドフライ(sandfly)」という言葉をあちこちで見ていると思います。ミルフォードに行くならこの対策は必須。
よく日本の虫よけは効かないとか、現地調達がベストとか書いてあるサイトが結構ありますが、
結論的には日本でちゃんと選定して買っていくのが正解
です。
市場に出回っている虫よけ剤に使われている成分は主に3種類で、多くの虫に対応していて効果が高い順に以下になります。
さらに、一番守備範囲が広いディートが入っているからと言っても、濃度が薄かったら効果も持続力も弱いのであまり効きません。国内の主要なメーカーが発売しているディート成分の商品は濃度5%のものが多いようですが、中には30%というのもあるようです。
下の画像は、フマキラーのSKIN VAPEという商品。ディートで濃度10%という記載があります。
この観点で虫よけを選べばどこで買っても大丈夫ですが、現地ではなかなか思い通りに見つけることができないと思います。なので日本で買っていくのがいいと思います
ちなみにUltimate Hikes Centreにも虫よけ剤が売っていましたが、これは「天然成分」でした。一番効果が小さいやつですね。まぁ肌には優しいかもしれませんが、一番効くやつがほしいんですがナンなんそれ?
日本では蚊取り線香や、薬剤を蒸散するタイプの虫よけが普及しているので、匂いで虫が寄ってこないイメージがありますが、上記薬剤の場合は塗ったところが奴らには感知できなくなる、とされています。なので「薬剤で完全に肌を覆い隠す」という塗り方が重要。
ガイドはたいてい半袖、半ズボンだったりして、あれで噛まれないのかな?と不思議に思ってました。で、今回彼らがジェル状の防虫剤を、手にたっぷり出して、まるでスキンローションのように、脚、腕、顔に塗りたくっているのを目撃。なるほどな、という事です。
我々は今回、8割くらい液が残っていたSKIN VAPEを持って行って2人で使い切りました。
プシュッとスプレーするだけでなく、たっぷり振りかけてそれを隙間なく手で塗り広げます。耳の裏、首の後ろ、指の間も忘れずに。これでしっかり効果ありました。
一応書いておきますが...
実際の使用に際しては、各製品の使用方法を確認してください。12才以下に対する使用制限があったりします。実際、肌に合わないとかもあるかもしれません。
そういった意味でも、日本で選定していくのが正解、なんですが。
あいつらは、場所によってはとてつもない大群で、それでいて音もなく群がってきます。ただそれは特定の場所です。そのポイントに着く前にはしっかり対策しておけば大丈夫!そのあたりを書いておきます。
初日、ミルフォードエリアに上陸した時点でしっかり塗ってください。上陸地点から最初のロッジGlade Houseまでは1.6km程度の軽いトレッキングですが、この道中で襲われるわけではありません。
問題は短い足慣らしの後、到着したGlade Houseの入り口でウェルカムドリンクを飲みながら、これからの日々に胸を含ませる至福の時間があるんですが、その隙にあいつらは容赦なく、しかも音もなく噛んできます。
なので、Glade Houseに着く前にしっかり塗って置く必要あり!
部屋に荷物を置いた後、川沿いの草原で集合写真をとります。ハイチーズ、と言ってフリーズしている隙もあいつらは絶対に逃しません。集合写真を撮りに行く前にしっかり対策を!
実はここは、それほど問題は無いように思っているんですが、川沿いにあるので、ランチ小屋に入る前に、対策!
マイタ―ピークロッジに向かう最終日のトレッキング道中にある、最初の休憩小屋です。ここ、まじでエグイくらいサンドフライが群がっています。Boat Shedという看板があるので、そこらあたりで徹底的に腕、顔、首、耳にしっかり対策してから小屋へ!
マイタ―ピークロッジに向かう最終日のランチポイントです。ここもエゲツなく、サンドフライが群れを成しているので、屋根のあるエリア、または吊り橋を渡る前に、徹底的に防虫剤を塗りたくってください。
感動の最終地点です。
この地点からボートに乗ってマイタ―ピークロッジに向かいますが、この桟橋がえげつない。最高レベルのサンドフライ群生地点です。一旦小屋で渡しのボートの到着を待ちますが、この時点で徹底的に塗りたくってください。ここではよくある虫よけ網をかぶるものも手です。
クインズタウンに帰る日の最終観光船ツアー。観光船の出発を待つ桟橋でもあいつらが群がってきます。最後まで油断せずに対策を。
ロッジでは基本素足にサンダルで過ごします。で、テーブルに座って食事をとっているときに狙われます。ロッジの中は殆ど居ないといえば居ないんですが、時々やられるので、ロッジで食事に行くときは、脚の対策を忘れずに。
早期発見、早期治療が最善です。噛まれた直後は意外と痒くなかったりしますが、後回しにせずすぐに薬で処置するのがポイント。放置して後で痒くなってから痒み止めを塗っても、それだけ後を引きます。
薬はもし可能なら、皮膚科で処方してもらった痒み止めがベスト。もし日本でアブなんかに刺されるような機会(?)があったら、皮膚科で見てもらって、その余った薬を持っていくとかが良いかもです。
近年南極のオゾンホールは緩やかに減少傾向という報告(気象庁)があり、またオゾンホールは11~12月ごろに消滅するようですが、それでも日焼け止めはしっかりやっておいた方がいいと思います。
とりあえず厚塗りがポイント。短髪の人は首の後ろも忘れずに。あと、耳の後ろも忘れがちなのでご注意を。
このくらいで大体準備はOKでしょうか?
出発一か月くらい前になったらNZeTA(New Zealand電子渡航認証)と、出発1日前にはNZTD(電子渡航申告)をしておきます。詳しくは以下を参照。
それぞれアプリあり
ニュージーランド入国に際しての旅行要件(Air New Zealand)
あとは出たとこ勝負こそ旅の醍醐味。
気を付けて、いってらっしゃい!
その他、諸々はここに詳しく書きました。興味ある人はどうぞ。